「投資を始めてもお金が減るばかりで、もうやりたくない」と感じていませんか?その気持ち、よく分かります。実は筆者も同じ道を歩んできた一人です。
今回は、筆者の投資遍歴を振り返りながら、特に初心者がハマりがちなFXの落とし穴と、そこから学んだ「投資と投機の違い」を解説します。さらに、失敗を糧にたどり着いた長期投資の魅力についてもお伝えします。
どんな投資をしてきたのか?まずはFXからスタート
筆者が投資の世界に足を踏み入れたのは2010年。当時はNISAやiDeCoといった制度はまだ存在せず、スマホやSNSも今ほど普及していませんでした。情報源は初心者向けの書籍や数少ないウェブサイトだけ。手探りで選んだ最初の投資が「FX(外国為替証拠金取引)」でした。
FXとは?基本を押さえよう
FXとは、ある国の通貨を別の国の通貨に交換する取引のこと。例えば、日本円で米ドルを買う、といった具合です。為替レートの変動を利用して利益を得る仕組みですが、特徴を理解しておくことが重要です:
- ゼロサムゲーム:為替市場では誰かが利益を得ると、必ず誰かが損をします。株式市場のように市場全体が成長するわけではないため、全員が勝つことは不可能です。
- ハイリスク・ハイリターン:レバレッジ(自己資金以上の取引が可能)を使えば短期間で大きな利益を狙えますが、逆に大損失を出すリスクも伴います。
初心者が陥るFXの罠:筆者の苦い経験
FXの魅力は「少額から始められる」「すぐに稼げる」という点。筆者もその甘い言葉に惹かれ、スキャルピング(秒単位の短期売買)やデイトレード(1日内の取引)に没頭しました。
初期の成功が落とし穴に
最初はビギナーズラックで小さな利益を手にし、「これなら簡単!」と勘違い。しかし、感情に振り回された取引や、無謀なレバレッジ設定が原因で、少しずつ損失が膨らんでいきました。
「コツコツドカン」の悪循環
小さな利益をコツコツ積み上げても、一度の大きな損失で全てがパーになる。この「コツコツドカン」の繰り返しに精神が疲弊し、冷静な判断が難しくなりました。
大損失の引き金:2011年東日本大震災
決定的な失敗は、2011年の東日本大震災時の急激な為替変動です。対応しきれず、ロスカット(強制決済)で資産の大半を失いました。この時、FXが「投資」ではなく「投機」――つまり短期的なギャンブルに近いものだと痛感しました。
FX失敗から得た3つの教訓:投資戦略を見直す
失敗は辛かったですが、この経験が後の投資スタイルを大きく変えるきっかけとなりました。以下に、得た教訓をまとめます。
- 投資と投機を明確に区別する
FXは短期売買が中心で、長期的な資産形成には不向き。初心者には、時間を味方にできる株式や投資信託など、成長が期待できる投資がおすすめです。 - 感情をコントロールする
投資成功の鍵は、感情に流されない冷静さ。一喜一憂せず、自分のリスク許容度を把握し、長期視点を持つことが大切です。 - 時間を味方につける
株式市場は歴史的に見ても長期的に成長傾向にあります。焦って大儲けを狙うより、分散投資や低コスト運用でじっくり資産を育てましょう。

※PayPayアセットマネジメント株式会社より引用 米国市場の過去30年のチャート https://www.paypay-am.co.jp/feature/special/index_us/
次のステップ:株式投資で安定を目指す
FXでの挫折後、筆者が選んだのは株式投資。以下の理由から、自分の性格や目標に合っていると感じました。
- 値動きが穏やか:FXのような激しい変動が少なく、精神的なストレスが軽減されます。
- 株主優待の楽しみ:好きな飲食店の優待券などを活用しながら、コツコツ投資を続けられる。
- 投資信託の活用:プロに運用を任せ、初心者でも簡単に分散投資が可能。
次回の記事では、株式投資を中心とした資産形成の具体的なステップを詳しくお伝えします。
まとめ:失敗を学びに変え、FIREへの第一歩を
筆者の投資遍歴は失敗から始まりました。しかし、その経験があったからこそ「投資と投機の違い」を理解し、FIRE(経済的自立と早期退職)を目指す土台が築けました。
投資初心者への3つのアドバイス
- 焦らずじっくり:短期的な利益より、長期的な資産成長を優先。
- 学び続ける:失敗を恐れず、経験を次に活かす姿勢を。
- リスクを理解する:自分の許容範囲内で、無理なく投資を。
「地方在住サラリーマンの投資遍歴」シリーズ、次回もお楽しみに!