FIRE後に必要な現金はいくら?安定した生活を送るための資金管理戦略
会社員を引退し、労働収入がなくなったとき、どれくらいの現金を手元に持っておくべきか疑問に思ったことはありませんか? FIRE(Financial Independence, Retire Early)を実現した後の資金管理は、生活の安定に直結します。本記事では、筆者の実体験をもとに、どのように現金を確保し、資産を管理しているのかを詳しく解説します。
結論:筆者は生活費の約3年分の現金を確保
筆者は、FIRE後の生活を安定させるため、3年分の生活費に相当する現金を確保するようにしています。これは、株価の暴落時でも資産を取り崩さずに済むようにするための防衛策です。
資産形成期の現金比率は3%程度
会社員時代は、現金比率を3%程度に抑え、投資信託やETFへの投資を優先していました。家族旅行や家具・家電の買い替えなどの支出は、給与の使い方を調整することで対応し、投資資産を取り崩すことなく資産形成を続けていました。
FIRE後の資産管理戦略
現在は労働収入がないため、年末にポジション調整を行い、売却した個別株の確定益を銀行口座に移すことで、生活費3年分と税金支払い用の現金を確保しています。今後、確保した現金が減っていくため、毎月分配型の投資信託の収益で補填する予定です。
なぜ3年分の現金を確保するのか?
現金を確保する最大の理由は、株価暴落時の資産取り崩しリスクを回避するためです。過去の市場暴落時には以下のような下落期間がありました。
- アジア通貨危機(1997年):16か月
- リーマンショック(2008年):7か月
- ITバブル崩壊(2000年):37か月
このような長期の下落相場の中で、現金が不足すると、FIRE生活は破綻してしまいます。暴落時には現金を活用し、上昇局面では投資資産を活用することで、長期的な資産運用の安定性を高めています。

出典:my Index https://myindex.jp/
FIRE後の支出管理:予測可能な支出と不測の事態に備える
FIRE後の生活では、予測できる支出と予測できない支出の両方に対応する資金管理が必要です。
予測可能な支出
- 住民税
- 健康保険料(任意継続 or 国民健康保険)
- 車の買い替え
- 持ち家の修繕費
これらの支出はあらかじめ計画し、必要な分は証券口座に置くか、銀行口座に現金として確保しておきます。
予測不可能な支出
- 病気やケガの医療費
- 教育費
- 介護費
不測の事態に備えるため、保険に頼るのではなく、現金を待機させておくことで対応する方針を取っています。
FIRE後の生活を安定させるために重要な3つのポイント
- 資金管理力:定期的に資産を見直し、現金比率を適切に維持する
- メンタルマネージメント:市場の変動に振り回されず、冷静に資産運用を続ける
- リスクマネージメント:暴落時に資産を取り崩さなくても済むように備える
資産形成期のポイント:リスク許容度を理解しよう
資産形成期には、リスク許容度を正しく把握し、それに応じた投資戦略を構築することが不可欠です。リスク許容度とは、投資による損失をどの程度受け入れられるかを示す指標であり、個人の状況や性格によって異なります。
リスク許容度に影響を与える主な要因
- 年齢:若いほどリスクを取りやすく、高齢になるほどリスク回避傾向が強まる
- 年収:収入が高いほど、リスクを受け入れる余裕が増す
- 保有資産:資産が多いほど、リスク耐性が高まる
- 将来の支出予定:教育費や住宅購入など、大きな支出予定があるとリスク許容度は低下
- 投資経験:経験豊富な投資家は、リスクを適切に評価し、受け入れる能力が高い
- 性格:リスクを好む性格か、回避する性格かによっても異なる
リスク許容度はライフステージとともに変化するため、「今はこうでも、将来はこうなる」というイメージを持つことが重要です。

出典:マネックス証券 https://info.monex.co.jp/news/2022/20220817_01.html
FIRE後の生活維持のポイント
資産形成の終盤に差し掛かると、労働収入も増えていることが多いですが、基礎生活レベルを上げすぎないことが大切です。FIRE後に生活レベルを維持できないと、ストレスが増え、最終的に再就職を余儀なくされる可能性もあります。
まとめ:FIRE後に必要な現金戦略とは?
- FIRE後は3年分の生活費に相当する現金を確保
- 市場暴落時は現金を使い、上昇局面では投資資産を活用
- 予測可能な支出と不測の事態に備えた資金管理が重要
- 資金管理・メンタル・リスク管理の3つを意識して生活する
FIRE生活を安定させるには、適切な現金管理が欠かせません。あなたのライフスタイルやリスク許容度に応じて、適切な現金比率を考え、健全なキャッシュフローを維持しましょう。