1. 資金調達第二弾の背景と目的
野村証券が提供する「野村Webローン」を活用した資産運用戦略が、新たなフェーズに移行しました。本稿では、資金調達第二弾の詳細な計画と、運用方針の異なる銘柄を組み合わせることで分配金を安定化させる手法について解説します。
特に、市場環境が厳しい局面においても持続的なキャッシュフローを確保する運用戦略に焦点を当てます。
2. 野村Webローンの活用実績と仕組み
2024年1月、楽天証券から野村証券へ約3,000万円分の投資信託(eMAXIS Slim S&P500およびオールカントリー)を移管しました。これを担保に野村信託銀行から800万円を借り入れ、インベスコ世界厳選株式オープンを購入することで、毎月の分配金を大幅に増加させることに成功しました。
野村Webローンの特徴
- 投資信託評価額の60%が担保価値(例:3,000万円 → 担保価値1,800万円)
- 担保充足率200%以上を維持し、安定運用を実施(70%以下で強制売却リスク)
- 借入資金を分配金のある資産へ再投資し、キャッシュフローを最大化
適切な安全マージン(担保充足率200%以上)を確保しつつ、安定した資産運用を行うことが重要です。

出典:野村信託銀行 https://www.nomura-trust.co.jp/lp/loan/index.html
3. 資金調達第二弾の実行と投資戦略
新たな資金調達フェーズとして、レバレッジ商品や使用頻度の低い証券口座の銘柄を売却し、1,000万円の資金を確保しました。この資金を以下の流れで運用します。
資金調達の流れ
1️⃣ 売却資金1,000万円で「インベスコ世界厳選株式オープン」を楽天証券で購入
2️⃣ 購入した投資信託を野村証券へ移管
3️⃣ 野村証券での投資信託総額が約4,000万円に増加
4️⃣ 担保価値が2,400万円に達し、最大400万円の追加借入が可能
ただし、昨今の市場環境を踏まえ、200~300万円程度の慎重な借入れを計画。担保充足率200%以上を維持しながら、リスクを抑えた運用を継続します。
何故野村證券にインベスコを移管するのか?
野村証券での担保充足率を高めることを目的に、楽天証券で投資信託を購入し、野村証券へ移管しています。野村証券の投信購入手数料が3.3%と高額で、例えば1000万円分の購入では33万円に達するため、このコストを回避する狙いもあります。手間はかかりますが、楽天証券で買い付けてから移管する手順を採用。
なお、楽天証券からの出庫手数料は1銘柄あたり3300円です。一方、野村証券では500万円以上の移管に対し移管手数料のキャッシュバックが適用されるため、時間をかければ実質無料で資産を移すことが可能です。
本来、手数料が高額な「インベスコ世界厳選株式オープン」は、投信残高ポイントサービスが魅力的な松井証券での運用を検討していましたが、今回は担保充足率の向上を優先し、野村証券を選択しました。
4. 追加投資対象:「GlobalX Nasdaq 100 Covered Call ETF(2865)」
現在の分配金ポートフォリオは以下の3銘柄が中心です。
- インベスコ世界厳選株式オープン
- フィデリティ・米国株式ファンド Fコース
- アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Dコース
このポートフォリオにより、税引後で年間500万円超の分配金を確保しています。今後、分配金の安定性を高めるため、新たな銘柄を追加する方針です。
新規投資対象:2865(GlobalX Nasdaq 100 Covered Call ETF)
- 2022年9月に東証上場
- カバードコール戦略を活用し、安定したインカムゲインを創出
- 分配利回りは既存の高配当投資信託より低いが、リスク分散効果が期待できる
- ETFのため流動性が高く、売却時のタイムラグが少ない
詳細情報: Global X 2865公式ページ
5. カバードコール戦略の概要とメリット
カバードコール戦略とは?
カバードコールとは、保有株式を活用してコールオプションを売却し、プレミアム収入を得る手法です。

出典:GLOBAL X https://globalxetfs.co.jp/funds/2865/index.html
具体的な仕組み
- 保有する株式に対し、特定の行使価格で売却する権利を販売
- 株価が行使価格を超えた場合、株式を売却しプレミアム収入+売却益を獲得
- 株価が横ばいまたは下落した場合、プレミアム収入のみを確保
カバードコールのメリット
- 市場環境に左右されにくく、安定した収益が見込める
- 値上がり益の上限は制限されるが、持続的なキャッシュフローを確保可能
- 2865はNasdaq 100を対象とし、市場変動下でも一定のリターンを提供
6. 運用方針の分散と今後の展望
ポートフォリオの最適化:攻めと守りのバランス
既存の高配当投資信託(成長型)と2865(カバードコール戦略)を組み合わせることで、運用方針の多様化を図ります。
- 高配当投資信託(成長戦略) → 上昇局面でのリターン増大
- カバードコールETF(インカム戦略) → 市場変動下での安定性確保
この戦略により、分配金の変動リスクを抑え、持続可能なキャッシュフローを確保できます。
7. まとめ:分配金の安定化によるFIRE生活の強化
- 野村Webローンを活用した資金調達第二弾を実施し、ポートフォリオを強化
- 既存の高配当投資信託に加え、2865を組み入れることで分散投資を推進
- 市場変動リスクを抑えながら、安定的な分配金とキャッシュフローを確保
2025年2月28日現在、市場環境が下落傾向にある中、段階的な投資で上昇局面に備える方針を堅持します。
市場変動の影響を受けにくい資産運用を目指す投資家にとって、分配金の安定化とリスク分散を両立する本戦略は有効な選択肢となるでしょう。