一般的に5月は「セル・イン・メイ」と言われ、株が売られやすいタイミングです。
しかし2025年の5月は、トランプ前大統領の関税発言などを市場が織り込む動きを見せ、下落が続いていた資産がようやくプラスに転じました。
とはいえ、「あれ、思ったより資産戻ってない？」というのが正直な感想。その理由を振り返ってみました。
FIRE後の資産推移｜5月はついにプラス転換
2025年6月1日時点の総資産は9,822万円となり、前月（5月）の9,596万円から＋226万円（＋2.4％）の増加となりました。
4か月続いていた下落トレンドにようやく歯止めがかかり、久々に資産が前月比でプラスへと反転。FIRE生活において、安定したキャッシュフローと相場の回復が同時に作用した1か月だったと感じています。
ただ、数字だけを見ると「思ったより資産が戻っていないのでは？」という印象を受けるかもしれません。実際にそう感じた背景には、主に2つの要因があります。
なぜ資産が思ったほど戻らなかったのか？
① 税金や社会保険、車の頭金などで支出が集中
1月〜5月までの支出を振り返ると、およそ600万円にのぼりました。
中でも大きかったのが、会社員時代に保有していた自社株の売却益に対する税金（約300万円）。これは3月に確定申告し、5月に納税したもので、資産が伸びにくかった要因のひとつです。
そのほかにも、国民年金や健康保険、自動車の買い替えによる頭金など、あらかじめ想定していた支出がこのタイミングで重なりました。
いずれも無駄な出費ではなく「必要な支払い」としての支出だったため、今後は支出が落ち着き、資産はより回復しやすいフェーズに入ると考えています。
② ハイテク株から高配当投信へシフト
もうひとつの理由は、保有商品の属性が大きく変わったことです。
これまでは勤めていた外資系企業の個別株を多く保有していましたが、退職を機に売却。ボラティリティを下げたい思いもあり、代わりに高配当投信（インベスコなど）を購入しました。
その結果、キャピタルゲインによる爆発的な上昇は見込めなくなり、思ったより資産が戻らなかったというわけです。
ただし今後は「資産の絶対額を増やす」よりも、毎月分配型の投信で“使えるお金”を増やす方針に舵を切っていく予定です。
5月の配当金実績
高配当投信についてはすべて特別分配金（元本取り崩し）でしたが、保有銘柄すべてで分配金が出たことで、平均取得価額を下げる効果がありました。
インベスコに関しては、株価次第では今後1〜2か月以内に普通分配金が復活する見込みで、いよいよマネーマシンとして本格稼働しそうな雰囲気です。
配当金内訳（税引後）
日本株
- 吉野家：1,594円
- ビックカメラ：1,435円
- 2865 カバコ：7,931円
▶ 合計：10,960円
米国株
- AIPI：88.40ドル（12,729円）
- CEPI：99.40ドル（14,313円）
- FEPI：67.76ドル（9,757円）
▶ 合計：36,799円
※1ドル144円換算
高配当投信
- インベスコ世界厳選株式オープン：278,181円
- フィデリティ米国株式ファンドFコース：106,386円
- アライアンスバーンスタインdコース：59,879円
▶ 合計：444,446円
5月合計：492,205円
半年ぶりの労働収入が着金
4月から始めた知人の仕事のサポート業務。その報酬が5月に振り込まれ、久々の労働収入となりました。
稼働時間は一定数あるものの、これまでのスキルを活かせる上に、時間や場所に縛られない柔軟な働き方ができており、ストレスも少なめです。
今後どこまで続けるかは未定ですが、FIRE生活において「定期的に収入が入る」という安心感はやはり大きく、キャッシュフローの安定にもつながっています。
🔍 個人的に感じたこと
目標金額に到達した後は、貯金や保険などの「守りの出費」をやめて、生活費だけを稼ぐスタイルが精神的に非常に楽です。お金を使うことへの満足度も上がります。
現金比率をどうするかが今後の課題
アルバイトによる生活費カバーが可能とわかった今、手持ちの現金を一部リスク資産へ移すことを検討しています。
特に以下の3つのETFを中心に買い増しを想定中：
- AIPI
- CEPI
- FEPI
高配当投信は分配金再投資で自然に口数が増えるため、まとまった資金投入は次回の下落タイミングまで見送る予定です。
高配当投信「インベスコ」の積立戦略について
現在は、インベスコ世界厳選株式オープンを1日あたり4,250円ずつ積み立て中。
このペースで進めると、2営業日ごとに約1万口を購入する形になります。
仮に1万口あたり150円の分配金が出るとすると、
👉 毎月1,500円ずつインカムが増えていく計算です。
積立を続けながら、取得単価を下げ、分配の恩恵を少しずつ積み上げていく──そんな“時間を味方につけた”戦略を実践中です。
📊 積立設定
毎日積立の見直し｜FANG+に集中投資する理由
2月から開始した毎日積立は、以下の3銘柄にそれぞれ1日500円ずつ投資するスタイルでスタートしました。上記のインベスコの毎日積み立てもこの取り組みから派生しています。
- iFreeレバレッジFANG+
- Tracers S&P500ゴールドプラス
- auAMレバレッジNASDAQ（為替ヘッジなし）
ファンド比較
なぜレバレッジNASDAQを外したのか？
3か月の運用を振り返ってみると、レバNASDAQは
- 下落時の値下がりが大きく、
- 上昇局面でも他の銘柄に比べてリターンが物足りない
という傾向が見られました。
そのため、今後の積立銘柄からレバNASDAQを外し、FANG+への積立額を増額する判断をしました。
ゴールドプラスは据え置き
S&P500ゴールドプラスについては、ゴールドやコモディティを別口で保有していることもあり、積立額は現状維持としています。
今後も少額×毎日の積立スタイルで、値動きの大きい銘柄との付き合い方を模索していきます。
資産構成の現状（2025年5月時点）
- インデックス投信：46%
- アクティブ投信：26%
- 現金：12%
- その他（iDeCo、国内株、海外株）：16%
FIRE生活を始めるにあたり、過去の下落局面のデータを踏まえ、生活費の約3年分のキャッシュを確保しておくべきだと考えてきました。
しかし、前述のとおり労働収入が安定的に入る状況となったため、今後はこの現金比率を見直し、リバランスを本格的に検討していきたいと考えています。
投資判断の背景にあったマーケットの動き
5月は配当金や労働収入により、個人としてのキャッシュフローは安定しましたが、株式市場が好調だった背景を整理しておくことも、今後の投資判断において重要です。特にS&P500やナスダックの上昇が顕著だったことから、経済指標や政策要因、企業決算などの影響を俯瞰しておくことで、投資方針との接続点を持ちやすくなると感じています。
まとめ｜資産を“増やす”から“活かす”へ
今月は久々のプラス転換に加え、労働収入と配当で100万円超のキャッシュフローを実現できたことで、FIRE後の戦略が一段と明確になってきました。
これからは「いくら持っているか」ではなく、「どう使いながら増やしていくか」。
インカム重視の資産配分と、生活を支える柔軟な働き方を組み合わせながら、“活かす運用”を軸にしたFIRE生活を続けていこうと思います。
市場は引き続き波がありますが、自分のスタイルを崩さず、無理のないペースで、ちょうどいいバランスを模索していきます。
それぞれのバランスを見直して、引き続き“ちょうどいいFIRE”を模索していきます。
