FIRE(経済的自立と早期退職)を目指す方にとって、開始前1〜2年の過ごし方は、その後の安定した暮らしを大きく左右します。
この記事では、実際にFIREを経験した筆者の体験をもとに、FIRE直前にやるべき5つの準備を具体的に解説します。
1. 副業と配当金で定期収入を確保する
FIREの生活は、資産の取り崩しやインデックス投資の運用益が基本ですが、相場の下落時や急な支出があると精神的な負担が大きくなります。
そこで、FIRE前に定期収入を確保する仕組みを整えることが重要です。
副業で収入の柱を増やす
- ライティング・データ入力:スキル不要で始めやすい副業
- ブログ・SNS・YouTube:低コストで始められ、継続すれば収益化も可能
- スキルシェア:Udemyやココナラで知見を提供して収入に
筆者はFIRE前に副業マッチングサイトを通じて、業務委託案件を受注し、月5万円以上の安定収入を確保できるようになりました。
配当金でパッシブインカムを得る
高配当ETFや増配株(例:VYM、HDV、JEPI、QYLD)を組み合わせて年利3~5%のインカム収入を確保しましょう。
2. 税金と社会保険の仕組みを理解する
FIRE後は会社に頼れないため、税金・社会保険を「自分で管理」する必要があります。
住民税・健康保険の注意点
- 住民税:退職翌年に前年度所得分が課税。年収500万円なら30万円超の請求も。
- 健康保険:任意継続 or 国民健康保険の選択が必要。自治体によって保険料が大きく異なる。
筆者は住民税の請求を想定して、FIRE直前に50万円以上の現金を確保していました。退職のタイミング(年度末など)によっても大きく異なるため、綿密なシミュレーションが不可欠です。
3. 退職手続きと失業保険を活用する
FIREを予定していても、「自己都合退職」で失業保険を受けられるケースは多くあります。条件を満たせば、最大330日の給付も可能です。
失業保険の基本
- 自己都合:給付まで3カ月の待機期間、支給期間は90~150日
- 会社都合・特定理由離職:待機なし、支給期間最大330日
- 退職理由の工夫:過労や体調不良を理由にすれば、特定理由離職に該当することも
健康保険の切り替えも忘れずに
任意継続保険に加入すると、会社員時代と同等の保障を維持しつつ、保険料も予測可能になります。
4. 人間関係を整理し、心地よい環境を作る
FIRE後は自由な時間が増える一方で、社会とのつながりが希薄になる不安も伴います。
関係を見直す3つのステップ
- 維持したい関係:退職前にランチや連絡先交換などで継続の意思を示す
- 整理したい関係:SNSのフォロー解除、LINEの整理などで自然に距離を
- 新しい関係:趣味の会やオフ会に参加して新たな居場所を
筆者は「年に1回の集まり」をFIRE前に友人と約束し、FIRE後の孤独感を大きく軽減できました。
5. 大きな支出はFIRE前に済ませる
FIRE後に想定外の支出があると、計画が一気に崩れる可能性があります。現役時代に収入があるうちに備えることが重要です。
FIRE前に済ませておくべき出費
- 住宅メンテナンス:屋根・外壁・水回りの修繕
- 車の買い替え:地方暮らしなら燃費と維持費を考慮した中古車が◎
- 家電の更新:大型家電は一括で買い替えておくと安心
- 引っ越しや住宅ローン:FIRE後は審査が厳しくなるため、事前対応必須
筆者はFIRE前にクレジットカードの新規発行を済ませ、住宅の外壁塗装も完了。これにより、FIRE後の突発的な支出を回避できました。
まとめ:準備が「ファイヤブルー」を防ぐ
FIRE直前に襲ってくる漠然とした不安「ファイヤブルー」。これは準備の有無で大きく差が出ます。
- 副業・配当で収入源を複線化
- 税・社会保険を正しく理解し、事前対策
- 大きな支出はFIRE前に済ませる
これらを押さえることで、FIRE後の生活は「自由と安心」を両立できます。
FIREを目指すあなたも、今からできる準備を始めてみてください。後悔のないFIRE生活は、準備から始まります。