- FIREは”今”を楽しむためのものであり、将来のことばかりを考えない。
- 直前になったからこそ感じる、FIREする前に準備すればよかったこと。
- 先のことはわからない、悩んでいても始まらない、まずは初めの一歩を踏み出そう。
2024年9月から会社員を卒業してFIRE生活に突入。
楽しみと不安がせめぎ合っている中、今の心境をお伝えします。
FIREは新たな人生の挑戦!?未来を見すぎず、今を楽しむ
この10年間、本当に頑張ってきました。プライベートを犠牲にし、強いプレッシャーにさらされながらも耐え抜き、ついに目標としていた1億円の資産を築くことができました。
FIREを意識し始めた当初、40代前半で達成できるとは思っておらず、本当に達成できるかどうかも半信半疑でした。それでも無我夢中で走り続けてきた結果、いま目の前にはFIREという未知なる世界が広がっています。
この新たな人生への挑戦は、喜びと同時に大きな恐怖心をもたらしています。FIREは新しい人生への挑戦のチケットなのだと、強く感じています。
FIRE開始時の最初の恐怖とは??
FIREは資産形成を目指す人にとって、一つのゴールと考えられるでしょう。経済的自由を手にし、早期リタイアを実現することで、これまでとは全く異なる世界の扉が開かれます。
その一方で、これまでの安定した生活から一転することへの不安もあります。特に、会社員として安定的に得ていた給料が途絶えることへの恐怖は、FIRE生活の最初の心理的ハードルとなるでしょう。
20年以上、月々の安定した収入があった日々を過ごしてきました。毎月の給与がもたらす安心感は、サラリーマン生活の最大の恩恵でした。
しかし、FIREを選択することで、その安心感を自ら手放すことになりました。もっと準備ができていれば、この不安も軽減できたのではないかと反省しています。
直前になって感じた「FIREする前に準備すべきだったこと」
資産形成時よりも現金比率を高めるべきだった
暴落や急な出費に備えるため、資産形成時よりも現金比率を高めておくべきだったと感じています。私は投資信託や米国株の比率が高いため、売却による取り崩しが避けられません。株価が下落している時に資産を取り崩さずに済むよう、現金比率を高めておくべきでした。
少額でも複数の定期収入源を確保しておくべきだった
FIRE後の生活を安定させるためには、少額でも複数の収入源を確保しておくことが重要だと痛感しています。現在、投資信託や個別株のほかに、年間70万円の配当金と、Xからの収益が年間10万円程度見込まれていますが、もっと早くから準備しておくべきでした。
楽しむためのお金の使い方を考えておくべきだった
これまで資産形成に集中するあまり、完全に節約志向になっていました。FIRE後は労働収入がなくなるため、使うことに恐怖を感じるかもしれません。
しかし、それではせっかく築いた資産がありながら、貧しいFIRE生活になってしまいます。資産を取り崩すことに対する恐れを乗り越え、一時的に労働収入を増やしてカバーするなど、柔軟な対応が必要です。
資産が緩やかに減っていくことは許容範囲であり、そのためのマインドセットを持つことが大切です。
考えても100点の答えは出ない。まずは最初の一歩を踏み出そう。
不安は、自分が何に価値を見出しているかの裏返しでもあります。定期収入が途絶えることへの不安はあるものの、それ以外にはあまり心配することはないと感じています。社会とのつながりは自由に使える時間が増えたことによりSNS、趣味や地域のコミュニティを通じて新たにつながったり、維持できると考えているからです。
これまでは、仕事中心の生活を送り、やりがいも報酬も一般的な基準を上回るものでした。強い情熱を持ち、成果を上げてきたからこそ今の自分があります。
しかし、「仕事しか知らない人生」が本当に自分が望んでいるものなのか、という疑問も浮かびます。もちろん、仕事が大好きでずっと働き続けたいという人もいるでしょう。
もともとサラリーマンにはなりたくない、自由に生きたいという思いを抑えながら生きてきましたが、40歳を超えたころから自分の生き方を見つめ直す機会が増えてきました。
未来ばかり見つめると、今が見えなくなる
未来に対して過剰に焦点を当て、不安に苛まれることもあります。「暴落で資産の多くを失ったらどうしよう?」「予想外の大きな出費が続いたらどうする?」といった心配が次々と浮かんでくるのです。
しかし、未来への備えは重要である一方で、それに捉われすぎると、現実を生きる喜びや達成感が薄れてしまいます。大切なのは、未来を見据えつつも、今この瞬間をどう楽しむかを考えることです。
いつだって軌道修正はできる。人生経験を豊かにするための一歩を踏み出そう。
FIREへの道は不安もありますが、それは未知への挑戦でもあります。FIREしたからといって、働いてはいけないとか、資産運用だけで生きていかなければならないというルールはありません。自由を手にすること、それがFIREの本質だと考えています。
どんなに時間をかけて考えても、1秒先の未来さえわからない中で100点満点の計画は作れません。それなら70点での計画を作って走りながら軌道修正をしていけばいいのです。
FIREを始める1~2年前から意識して準備を整えれば、こういった「ファイヤブルー」に襲われることなく、資産もメンタルもスムーズに対応できるのではないかと思っています。