本記事は、楽天証券でREX3兄弟(AIPI、CEPI、FEPI)が購入可能となって以降、筆者が実際に保有して感じたことをベースに、FIRE後の高配当戦略の再構築についてまとめた続編です。
REX3兄弟とは?特徴と高配当の仕組みを解説
REX3兄弟の構成銘柄と配当戦略
REX3兄弟は、AI、FANG、仮想通貨関連銘柄を対象としたカバードコール戦略ETFで、以下の3本で構成されています。
- AIPI(AI系グロース株)
- CEPI(仮想通貨関連)
- FEPI(FANG+半導体系)
それぞれ、原資産の値動きに対してコールオプションを売ることで毎月の分配金を得られる構造となっています。利回りは年25〜41%と非常に高水準です。
筆者の購入タイミングと実績
筆者は2025年3月13日と3月28日にそれぞれ50株ずつ、計100株ずつを購入。分配金はおおむね想定どおりであり、カバードコールETFとしては驚くほど安定しています。
月 | AIPI月末株価 | AIPI 配当(100株) | FEPI月末株価 | FEPI 配当(100株) | CEPI月末株価 | CEPI 配当(100株) |
---|---|---|---|---|---|---|
2025.02 | $42.90 | $135.50 | $44.85 | $98.00 | $39.72 | $169.83 |
2025.03 | $43.10 | $128.04 | $45.12 | $94.00 | $40.65 | $157.77 |
2025.04 | $42.60 | $110.22 | $45.30 | $82.00 | $41.28 | $145.91 |
2025.05 | $43.00 | $123.25 | $45.40 | $93.00 | $41.60 | $132.86 |
2025.06 | $43.33 | $127.39 | $45.52 | $96.22 | $40.29 | $138.81 |
2025.07* | $43.43 | — | $45.63 | — | $40.88 | $137.97 |
CEPI株価の下落理由は「配当落ち日」
6月のCEPIの株価下落は、6月24日の配当権利落ちによる調整が要因でした。1.38ドルの分配金が差し引かれた結果であり、ファンドの健全性に問題があるわけではありません。



なぜ2865カバコではなくREX3兄弟を選んだのか?
2865の分配利回りと株価推移を比較
2865(カバコ)はNASDAQ100を対象にしたカバードコールETFですが、分配利回りは8〜12%程度。REX3兄弟と比べて大きく見劣りします。(オレンジの線がカバコ)

REX3兄弟の回復力とキャッシュフローの強み
分配金の水準だけでなく、株価の戻りもREX3兄弟のほうが早いと実感。筆者は6月に保有していた2865カバコを150万円分売却し、インベスコへ資金を移しました。
インベスコ世界厳選株式オープンの再評価と活用法
高値圏でも買える理由:特別分配金の再投資
インベスコ世界厳選株式オープンは、現在基準価額が9,000円超と高値圏ですが、特別分配金を再投資することで取得単価を調整できます。
他ファンドと比較したときの優位性
分配金が出なくなることが多いAB-DやフィデリティFと比べ、インベスコは特別分配であっても口数を増やせる点が大きなメリットです。
REX3兄弟 vs インベスコ:使い分けの投資戦略
上昇相場ではREX3兄弟、下落相場ではインベスコ
カバードコールETFは株価上昇時の利益を限定する代わりに安定分配を得られるため、上昇相場ではREX3兄弟、下落時はインベスコを買うのが合理的です。
FIRE後の分配金重視ポートフォリオの考え方
定期収入がないFIRE生活では、キャッシュフローを重視する設計が求められます。REX3兄弟とインベスコの組み合わせは、そのバランスに優れています。
REX3兄弟に1,200万円を投資した場合のシミュレーション
700株ずつ保有した場合の月額分配金
既存の100株ずつに加え、600株ずつを追加購入すると合計700株ずつの保有となります。6月の実績から計算すると、税引前で月あたり約367,000円の分配金が期待できます。
銘柄 | 配当(100株) | 700株換算(USD) | 円換算(145円/USD) |
---|---|---|---|
AIPI | $127.39 | $891.73 | 約129,298円 |
FEPI | $96.22 | $673.54 | 約97,659円 |
CEPI | $138.81 | $971.67 | 約140,892円 |
3年で元本回収は現実的か?
現在の分配ペースが続けば、3年で元本回収も見込めます。ただし、株価と分配の下振れリスクは常に念頭に置いておく必要があります。
今後の資金投入方針と再投資戦略
3~4回に分割して移行する理由
急激な価格変動を避けるため、1200万円は一括投資せず、段階的に3~4回に分けてREX3兄弟へ移す予定です。
銘柄 | 株価(7/4終値) | 600株あたりの取得額(USD) | 円換算(145円/USD) |
---|---|---|---|
AIPI | $43.43 | $26,058 | 約3,778,410円 |
FEPI | $45.63 | $27,378 | 約3,969,810円 |
CEPI | $40.88 | $24,528 | 約3,556,560円 |
分配金の使い道は「プール資金」へ
得られた分配金は、次回の調整局面での買い増し余力としてプールしておく戦略を考えています。
※投資判断はご自身のリスク許容度に基づいて慎重に行ってください。本記事は個人の体験を元にした記録であり、特定銘柄の推奨を目的とするものではありません。
まとめ|REX3兄弟とインベスコを使い分けて、FIRE後も安定収入を得る
FIRE後の資産運用において、「どのタイミングで何を買うか」は極めて重要です。本記事では、筆者自身がトランプ関税ショック後にポートフォリオを見直し、以下の戦略を取ったことをご紹介しました。
- REX3兄弟: 高配当・毎月分配を狙える攻めの選択肢。株価上昇時でも買いやすい。
- インベスコ世界厳選株式オープン: 株価が下落しているときに特別分配金を再投資して口数を増やせる守りのファンド。
今後の投資方針としては、1,200万円を一括で投じるのではなく、3~4回に分けて段階的に移行し、得られた分配金は次の下落局面に備えたプール資金として活用していく予定です。
こんな人におすすめの戦略
- FIRE後のキャッシュフローを重視したい方
- 高配当ETFに興味があるが、リスクも管理したい方
- 分配金で生活費の一部を賄いたいと考えている方
REX3兄弟やインベスコのようなファンドは、どちらか一方を選ぶのではなく「相場環境に応じて使い分ける」ことで、より安定したポートフォリオを構築できます。
本記事が、皆さんの高配当戦略やFIRE後の資産設計の参考になれば幸いです。