会社を退職すると、それまで加入していた健康保険を「任意継続健康保険」として継続するか、「国民健康保険」に新たに加入するかを選ぶ必要があります。
それぞれの制度の違いを理解し、保険料の負担を抑えつつ、最適な選択をすることで節税やコスト削減が可能になります。
この記事では、以下のポイントを詳しく解説します。
✅ 任意継続と国民健康保険の違い
✅ メリット・デメリットの比較
✅ 保険料の計算方法
✅ 確定申告での取り扱い
✅ どちらを選ぶべきかの判断基準
✅ 高額な所得税が発生する場合の対策
✅ この記事のポイント
✔ 任意継続の保険料は、副業や投資収入の影響を受けないため最大限活用しよう!
✔ 国民健康保険の減免制度よりも、任意継続の方が安いケースがあるため必ず比較!
✔ 扶養家族がいる場合は、何人いても保険料が変わらない任意継続が有利!
✔ 高額な所得税が発生する場合は、上限金額がある任意継続期間中に申告・対応するのがベスト!
1. 任意継続 vs 国民健康保険の基本概要
✅ 任意継続健康保険
- 対象者:会社を退職した会社員
- 加入条件:退職前に2ヶ月以上健康保険に加入していた場合
- 加入期間:最長2年間
- 手続き:退職後20日以内に申請が必要
✅ 国民健康保険
- 対象者:自営業者、フリーランス、無職の方など、会社員でない人
- 加入条件:特になし(全員加入可能)
- 加入期間:制限なし
- 手続き:退職後14日以内に市区町村で手続きを行う
2. 任意継続と国民健康保険のメリット・デメリット
任意継続健康保険 | 国民健康保険 | |
---|---|---|
メリット | ✅ 退職前と同様の保険が適用され、比較的安い保険料で利用可能 ✅ 高額療養費制度も継続利用できる | ✅ 自営業や無職でも加入でき、期間の制限なし ✅ 前年の所得で保険料が決まるため、退職後に収入が減ると翌年の保険料が安くなる可能性 |
デメリット | ❌ 2年間しか継続できない(その後は国保や配偶者の扶養に切り替えが必要) ❌ 保険料は退職時の給与で固定されるため、収入が減っても変わらない | ❌ 保険料が地域ごとに異なり、高額になることがある ❌ 扶養家族が多い場合は割高(一人ひとりに保険料が発生) |
3. 保険料の計算方法
✅ 任意継続健康保険の保険料
- 計算方法:「退職時の給与 × 保険料率」
- 保険料率:在職時と同じだが、会社負担分も自己負担になるため約2倍
- 上限額:協会けんぽの場合、標準報酬月額30万円相当の保険料が上限
✅ 国民健康保険の保険料
- 計算方法:前年の所得を基に、市区町村ごとの「所得割」「均等割」「平等割」などで算出
- 上限額:年間65万~80万円程度(自治体による違いあり)
- 扶養家族:扶養者も含め、一人ひとりに保険料が発生
4. 筆者のケース(体験談)
筆者は特定理由離職者として退職し、国民健康保険の減免対象でした。
「減免が適用されれば、国民健康保険のほうが安いはず」と思っていましたが、見積もり金額を見て驚愕しました。
比較項目 | 国民健康保険(通常) | 国民健康保険(減免後) | 任意継続健康保険 |
---|---|---|---|
月額保険料 | 約10万6,000円(年間100万円の上限適用で実際は8.3万円) | 約6万5,000円 | 約3万4,000円(国保の約1/3!) |
「減免後でもこんなに高いのか…!」と驚き、役所に相談。
すると「任意継続も検討してみては?今日が申し込み期限ですよ」とアドバイスを受け、急いで手続きを完了しました。
筆者は副業や株式譲渡益、配当収入があるため、国民健康保険では所得が増えると保険料も上がる仕組みです。
一方、任意継続は保険料の上限が決まっているため、収入に関係なく保険料が固定されるのが大きなメリットでした。
5. どちらを選ぶべきか?判断基準
状況 | おすすめの健康保険 |
---|---|
退職後も収入がある | ✅ 任意継続(収入に関係なく保険料が固定) |
収入が大幅に減る | ✅ 国民健康保険(翌年の保険料が下がる可能性) |
扶養家族が多い | ✅ 任意継続(扶養家族の人数に関係なく保険料が一定) |
高額な所得税が発生する | ✅ 任意継続(上限額のある期間中に申告すれば国保の負担増を防げる) |
まとめ:退職後の健康保険は計算して比較しよう!
✔ 任意継続が有利なケースが多いが、状況によって異なる
✔ 扶養家族がいるなら任意継続が有利
✔ 高額な所得税が発生する場合は、任意継続期間中に申告するのがベスト
あなたの状況に合わせて、最適な健康保険を選びましょう!