会社員退職後の健康保険って任意継続か国民健康保険があるけどどちらにした?
いろいろ悩んだけど最終的には任意継続にしたよ。
健康保険に関して、退職後に選択可能な「任意継続健康保険」と「国民健康保険」にはそれぞれ異なる特徴があります。
特徴を理解し、制度をうまく利用することで所得を最大化しつつ、保険料を抑えることができます。
以下で、それぞれの違い、メリット・デメリット、保険料の計算方法、確定申告における扱いについて解説します。
※本ブログで言及する任意継続は「協会けんぽ」の場合です。他の健康保険組合については異なる場合がございますのでご了承ください。
- 任意継続の保険料は副業や投資収入に影響されないため最大限活用しよう
- 国民健康保険の減免制度よりも任意継続のほうが安い場合があるため必ず比較する
- 家族を扶養に入れる場合は何人でも保険料が変わらない任意継続一択
1. 基本概要
任意継続健康保険
- 対象者: 会社を退職した会社員
- 加入条件: 退職前に2ヶ月以上健康保険に加入していた場合
- 加入期間: 最長2年間
- 手続き: 退職後20日以内に申請が必要
国民健康保険
- 対象者: 自営業者、フリーランス、無職の方など会社員でない方
- 加入条件: 特になし(全員が加入可能)
- 加入期間: 制限なし
- 手続き: 退職後14日以内に市区町村で手続きを行う
2. メリットとデメリット
任意継続健康保険
- メリット:
- 退職前と同様の保険が適用され、比較的安い保険料で利用可能
- 高額療養費制度も継続して利用可能
- デメリット:
- 2年間しか継続できず、その後は国保や配偶者の扶養などに加入する必要がある
- 保険料は退職時の収入で固定されるため、収入が減少しても保険料は変わらない
国民健康保険
- メリット:
- 自営業や無職でも利用でき、加入期間に制限がない
- 前年の所得で保険料が算出されるため、退職後に収入が減った場合、翌年の保険料も安くなる可能性がある
- デメリット:
- 保険料が地域ごとに異なり、負担が重くなる場合がある
- 一人ひとりに保険料が発生するため、扶養家族が多い場合は割高になることが多い
3. 保険料の計算方法
任意継続健康保険
- 計算方法: 退職時の給与を基準に、「標準報酬月額 × 保険料率」で算出
- 保険料率: 在職時と同じだが、退職後は会社負担分も自己負担になるため、在職時の約2倍
- 上限額: 協会けんぽの場合、約30万円の収入に対する保険料まで上限が設けられている
国民健康保険
- 計算方法: 前年の所得に基づき、市区町村ごとに設定される「所得割」「資産割」「均等割」「平等割」などで計算
- 上限額: 年間で約65~80万円程度に設定されることが多い(自治体による違いあり)
- 扶養: 扶養者も含め一人ひとりに保険料がかかる
4. 確定申告時の違い
任意継続健康保険
- 社会保険料控除: 支払った保険料は社会保険料控除の対象となり、確定申告や年末調整で控除が可能
- 手続き: 保険組合からの納付証明書を添付して申請する
国民健康保険
- 社会保険料控除: 国民健康保険も控除対象。申告時に市区町村が発行する「納付確認書」が必要
- 手続き: 一部の自治体では郵送やオンラインでの確認が可能
5. どちらを選ぶべきか?
保険の選択には以下の点を考慮しましょう。
- 収入状況: 退職後も収入がある場合は、任意継続の方が保険料の負担が軽い場合があります。収入が大幅に減る場合は、翌年の保険料が下がる可能性がある国民健康保険が適しているかもしれません。
- 加入期間: 長期的に加入したい場合は、国民健康保険が良いでしょう。任意継続は2年間のみの加入が可能です。
- 家族構成: 扶養家族が多い場合、任意継続が割安です(国保は一人ひとりに保険料がかかるため)。
6. 筆者のケース
筆者は、特定理由離職者として会社を退職したため、退職後の国民健康保険は減免対象でした。
減免があるため「任意継続よりも安いだろう」と思っていましたが、実際の見積もり金額を見て驚愕しました。
国民健康保険の初年度の保険料は月額約10万6,000円(ただし年間100万円程度の上限があるため実際は月額8.3万円)。
減免後も6万5,000円と想像以上に高額で、かなりの負担になることが分かりました。一方で、任意継続の保険料は月額3万4,000円で、国保の1/3ほどで済むことが判明しました。
役所で「任意継続も検討してみては?今日が申し込み期限ですよ」とアドバイスを受けたのが、まさに申し込み最終日。急いで手続きを行い、無事に申請を完了できました。
私の場合、会社員の給与に加え、副業や株式譲渡益、配当などの収入もあるため、国民健康保険だと所得に応じて保険料が上がります。
一方で、任意継続は協会けんぽの定める上限があり、所得が増えても保険料が変わりません。こうして任意継続を選ぶことで、所得増分に左右されず、保険料を抑えることができました。
ただし、2年間の期間が過ぎて年の途中で国保に切り替わる場合は前年度所得に基づいて保険料を算出されるので要注意です。
まとめ
会社員を退職した初年度は、任意継続が多くの方にとって有利な選択肢です。
2年目以降については、確定申告が必要な副業や投資による収入がない限り、国民健康保険の方がメリットが出やすい場合もあります。
リタイア後の生活スタイルを考慮し、最適な保険を選ぶことをお勧めします。
加入条件、保険料、メリットやデメリットの比較
保険内容の比較
※2024年11月13日時点の情報 協会けんぽ 任意継続被保険者制度について 厚生労働省 国民健康保険制度について