金融の取り崩しは心身ともに健康なときが最大のリターンとなる。

FIREまでの道のり
本投稿のポイント
  • 資産をいつから、どのように取り崩すのが良いか、方向性を定める。
  • 何のための資産形成なのかを今一度振り返ろう。
  • メンタルの負担が大きい短期投資、高リスク商材は必要ない。
  • 資産形成に終わりはないが、心身ともに健康なうちに使い始めよう。

資産はいつから取り崩すべきか? ベストなタイミングを考える

資産形成を進めていると、目標額に到達するまでどれくらい時間がかかるのか、また、いつからその資産を取り崩して良いのか、ふと考えることがあるのではないでしょうか。

資産形成には明確な終わりがないため自分自身で決断していく必要があります。もちろん、目標額や人生設計は人それぞれ異なり、共通のゴールはないことは周知のとおりです。

しかし、健康寿命を過ぎた後に資産形成が完了しても、それは遅すぎるかもしれません。せっかく積み上げた資産を有効に活用し、人生を豊かにするためには、心身ともに健やかである年齢での取り崩しが望ましいと考えます。

高齢になって人生を振り返ったときにあれがやりたかった、これがやりたかったとなってもお金や時間があっても体力や気力がなくなり実現せずに終わってしまうからです。

そもそも何のための資産形成なのか?目的を再確認してみる

資産形成の大きな目的としては老後資金を作ることだと考えております。今年から新制度となったNISAや掛金拠出限度額の拡充が予定されているiDeCoが普及しているのも年金だけでは老後のゆとりのある生活を賄えないと大きく取り上げられたことは記憶に新しいと思います。

各自の生活スタイルや将来の計画によって異なりますが、老後資金として必要だと言われているのは2000~4000万円です。

たとえば、40歳時点で500万円の資産があり毎月5万円を10年間積み立てると、50歳時点で約1,600万円に達します。

その後は積み立てを停止しても、さらに10年間運用を続ければ60歳時点で約2,600万円になります。仮に1,000万円の初期資産があれば、積み立てなしで60歳時点で約2,700万円に達する計算です。

※積立期間中は株式比率を高め利回り5%で想定

※出典:アセットマネジメントOne より https://www.am-one.co.jp/

つまり、持っている資産とリタイアするまでの時間を考慮し、老後資金を作れると判断したなら、それ以上の入金はせず稼いだお金を使って楽しむことをすればいいのです。

例えば株式口座への定期積立を停止して、生命保険などを解約することで手元に残るお金が増えて新たな習い事を始めたり、旅行や外食などに支出をする余裕が出てきます。

短期取引は避け、地道に積み上げる

できるだけ早く資産形成を終えたいという気持ちは理解できますが、デイトレードやレバレッジをかけた取引はお勧めしません。

地道に入金を続け、複利の力で少しずつ資産を積み上げているなら、そのスタイルを維持し、リスクの高い取引には手を出さないことが重要です。

短期売買やレバレッジ取引は、メンタルへの負担が大きく、一喜一憂することによる疲労や恐怖から、投資をやめてしまう可能性もあります。

また、短期売買は運の要素が非常に強いと言われており、数回連続で勝てたとしても資産を増やしていくという観点だと適していません。

冷静さを保ち、これまでの方法を振り返りつつ、淡々と資産を積み上げていくことで、結果的に大きな利益を生み出すことができるでしょう。

結局、資産はいつから、どう取り崩すのか?

積み上げた資産を取り崩す方法としては、自身で決めたアセットアロケーションを維持しながら取り崩すという方法で実施していきます。

2024年7月末時点でのアセットアロケーションは、以下の図に示した通りです。

2025年1月から、リスクの大きい米国個別株の売却を中心に現金比率を高め、投資信託や債券、高配当株を中心に安定的なポートフォリオを構築しつつ、資産を取り崩す計画を立てています。

また、我が家では3年後に子供の大学受験を控えており、その後4年間が家計の支出のピークとなる見込みです。

株価が上昇していれば理想的ですが、下落リスクも考慮しフリーランスとして労働収入を得る環境を整えていきます。

そして、順調にいけば7年後には子供の大学卒業を迎え教育資金も不要になります。金融資産も複利で増え続ける見込みであるため、労働から離れ、新たな挑戦に時間を費やすことを考えています。

健康なうちに資産を活用し、豊かな人生を歩んでいこう

長期にわたり資産形成に励んできた結果、節制や我慢を続けた人が、いざFIREやリタイヤが見えてきたときに、どのように資産を活用すべきか悩むケースも少なくありません。

積み上げた資産をどう使いたいのか、あらかじめイメージを描いておくことが大切です。

資産形成のゴールは、単にお金を貯めることではなく、それをいかに活用し、人生を豊かにするかにあります。

心身ともに健康なうちに、積み上げた資産を使って自分や家族が喜びを感じることに投資し、満足のいく人生を送ることこそ、資産形成の真の成功と言えるでしょう。

資産は手段であり、それをどう生かすかが最も重要です。未来の自分が後悔しないためにも、今からしっかりと計画を立て、充実した人生を築いていきましょう。