2025年も残り2か月。そろそろ「来年のNISAをどう動かすか」を考える時期がやってきました。昨年の記事「新NISA×S&P500一括投資で+38%」では、S&P500を中心に年初一括で投資した結果と、当時の運用方針を公開しました。
そして今年は、高配当投信の比率を大きく引き上げ、分配金を受け取りながら資産の安定化を図る一年となりました。そのうえで迎える「3年目のNISA」。これまでの2年間で積み上げた成果をどう活かし、どんなリスクを取りにいくのか。FIRE生活と資産運用の両立を続ける中で、私自身も次の10年を見据えた“再設計”の段階に入っています。
これからのNISAで本当に重視すべきなのは、「何を買うか」よりも「どんな目的で持つか」なのかもしれません。この記事では、実際の楽天証券の口座画像を交えながら、「3年目のNISAで何を買うのか」「どんな考えで運用方針を立てているのか」を、実体験に基づいて丁寧にお伝えしていきます。
NISA運用方針:複利を味方につける「年初一括×インデックス」
投資スタンスの基本
私のNISA運用方針は、いたってシンプルです。インデックスファンドで運用し、複利の力を最大化すること。特定口座で保有している商品を、毎年360万円分ずつNISAへ移し替え、できる限り長く運用期間を確保するために「年初一括投資」を基本としています。
初年度・2年目ともに選んだのは、S&P500。アメリカ企業の競争力と収益性を信じ、
短期的な値動きではなく“時間”を味方につけることを最優先にしてきました。
この「長期×一括」のシンプルな戦略こそ、私が投資生活の軸として最も信頼している方法です。
NISA出口戦略と使うタイミング
10年後の利用を想定して計画的に運用する
NISAの目的は“非課税で増やす”ことだけではありません。
「いつ、どのように使うか」を設計することも、長期投資では欠かせない要素です。
私の場合、おおよそ10年後を目処に取り崩しを開始する計画を立てています。
ただし、教育費や自宅の修繕、車の買い替えといった大きな支出が発生した場合には、
その都度、一部を取り崩すことも想定しています。
感情に左右されない長期投資のコツは、以前の記事「投資をやめる人・続ける人の違いとは?」でも詳しく解説しています。
FIRE生活とのバランス設計
今後10年間は、高配当投信からの分配金と、少しの労働収入を組み合わせて生活を維持する方針です。
高配当投信の主力は「インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)」
8年以上連続で毎月分配を続けており、私の資産全体の約40%を占めています。
ただし、分配金が永続する保証はありません。市場環境によっては、元本を取り崩す特別分配金に転じる可能性もあります。それでも私は、「10年分配を受け取れれば想定通り」と割り切っています。
10年間で得た分配金と、積み上げたNISA資産を次のフェーズで活用する。そして、60代に入ればiDeCoと年金を組み合わせて“生活の後半戦”に備える。こうしたステップを見据えることで、
「資産を増やす」から「資産を活かす」への移行を、無理なく進めていけるのだと感じています。
これまでの運用実績(2025年10月時点)
ここからは、実際の楽天証券口座の画面をもとにした実績を紹介します。
成長投資枠(1年目)
- ファンド名:楽天・プラス・S&P500インデックスファンド
- 投資開始:2023年12月27日
- 投資額:240万円
- 評価額:3,694,058円
- 評価損益:+1,294,059円(+53.91%)

※データは筆者の楽天証券口座(2025年10月24日時点)の実績をもとに作成。
1年10ヶ月で+53.9%。S&P500の強さを体感できた一年でした。
成長投資枠(2年目)
- ファンド名:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 投資開始:2024年12月27日
- 投資額:240万円
- 評価額:2,607,635円
- 評価損益:+207,635円(+8.65%)

※データは筆者の楽天証券口座(2025年10月24日時点)の実績をもとに作成。
DeepSeekショックや関税ショックを経ても着実にプラス圏へ。
つみたて投資枠
- ファンド名:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 積立開始:2024年1月5日
- 投資総額:約120万円+毎月100円積立
- 評価額:3,167,081円
- 評価損益:+767,481円(+31.98%)

※データは筆者の楽天証券口座(2025年10月24日時点)の実績をもとに作成。
毎年、年初に1,198,900円を一括投資し、その後は毎月100円ずつ積み立てを続けています。
2024年と2025年では購入できた口数(=取得量)に大きな差があり、株価が着実に成長している様子がはっきりと分かります。

※データは筆者の楽天証券口座(2025年10月24日時点)の実績をもとに作成。
NISA全体のパフォーマンス
- 総評価額:9,468,774円
- 評価損益:+2,268,774円(+31.51%)
NISA2年分の投資で約230万円の含み益。堅実な積み上げが形になってきました。
3年目の新NISAで買う銘柄と購入方針
新たな組み合わせ
3年目のNISAでは、以下の2本を予定しています。
- つみたて投資枠:iFreeNEXT FANG+インデックスファンド(120万円)

※出典:楽天証券
- 成長投資枠:ニッセイNASDAQ100インデックスファンド(240万円)

※出典:楽天証券
NISAのコア・サテライト戦略の導入
これまでの2年間は、S&P500を中心にポートフォリオの「軸」を築く運用を続けてきました。
しかし、3年目となる今回は、その基盤を保ちながら成長セクターへの投資を一部取り入れる方針です。
- コア資産:S&P500
- サテライト資産:FANG+・NASDAQ100
AIを中心としたテクノロジー分野の成長トレンドは、まだ終わりを迎えていないと感じています。
10年以上の長期運用を前提とするNISAだからこそ、一定のリスクを許容して未来の成長性に賭ける余地を持たせたいと考えました。
もちろん、テックセクターが調整局面を迎える可能性もあります。ただ、特定口座で保有している「インベスコ世界厳選株式オープン」がIT比率・米国比率ともに低く、その分ポートフォリオ全体のバランスを取ることができています。
S&P500で“軸”を守りながら、FANG+やNASDAQ100で“成長の芽”を育てていく。それが、3年目のNISAで目指す新しいスタイルです。
今後の展望と考え方
「やり直せる余力」を残す
2025年末に3回目の買い付けを終えた後は、2026年の市況を見ながら次の方針を立てます。
AIブームが落ち着いても、米国市場のリーダーシップはしばらく続くと見ています。
ただし、一点集中は避け、常に“やり直せる余力”を残すことが最も重要です。
精神的に折れないポートフォリオを
投資における最大の防御は「メンタルの安定」です。
- 暴落が起きても生活に支障が出ない現金比率を維持する
- 他人の評価ではなく、自分が信じられる商品を選ぶ
- 市場ノイズに左右されず、長期でホールドする
「大きく勝つより、大きく負けないこと」それが長期で資産を育てるための最も現実的な戦略です。
まとめ:3年目は“リスクを受け入れる勇気”を
S&P500だけでも十分という意見はあります。それでも私は、3年目に少しだけリスクを受け入れる決断をしました。1年目・2年目の含み益が“精神的なバッファ”となり、次のステップへ進む後押しをしてくれたからです。
2026年に振り返ったとき、この選択がどう評価されるかはわかりません。しかし、自分の判断で動き、続けることそのものが投資の醍醐味だと感じています。
執筆者:どらじ
地方在住・FIRE達成者。インデックス投資と高配当ファンドを組み合わせた運用を実践中。
楽天証券・松井証券・野村證券を活用し、毎月の資産や分配金を公開中。
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