FIRE後に暴落が来たら「働けばいい」は本当に成立するのか

キャリアノート

――アルバイトに応募して分かった、FIRE後の現実

FIRE後に暴落が来たらどうするか。

この問いは、FIREを目指す人なら
一度は必ず頭をよぎるはずだ。

SNSを見ていると、決まってこう書かれている。

暴落したら働けばいい
最悪アルバイトすれば何とかなる

たしかに、理屈としては正しい。
だが私は、FIRE後に実際にアルバイトへ応募し、
その「現実」を自分の体で確かめた。

結論から言う。

FIRE後に暴落が来てから働こうとするのは、想像以上に難しい。

この記事は、
「FIRE後・暴落・労働」というテーマについて、
机上の空論ではなく実体験から答えるために書いている。


FIRE後に暴落が来ても、人はすぐに働けない

FIRE直後は、資産の数字以上に「心理的な不安」とどう向き合うかが難しかった。
このあたりは、FIRE1年目に感じていた不安や、その乗り越え方について書いた記事でも詳しく触れている。👉「FIRE1年目に感じた不安と向き合い方」

仮に、FIRE後に暴落が来て
5,000万円あった資産が3,000万円まで減ったとする。

数字だけを見れば大きなダメージだが、
多くの人はこう考えるだろう。

  • いずれ戻るだろう
  • ここで売るのは一番悪い
  • もう少し節約すれば耐えられる

つまり、「しばらく我慢する」という判断を選びやすい。

FIREをした時点で、
すでに労働意欲はかなり削ぎ落とされている。

その状態で、

  • もう一度働く気力を出せるか
  • 未経験の仕事に応募できるか
  • 条件を割り切れるか

と言われると、正直かなり厳しい。

頭では分かっていても、
心と体がついてこない。

これが、FIRE後のリアルだ。


金融資産の値動きに慣れると、時給で働く感覚が合わなくなる

FIRE後しばらくすると、
金融資産の値動きが日常になる。

  • 日々、数万円〜数十万円が動く
  • 多い日には、100万円単位で増減する

そんな感覚に慣れてしまうと、

時給1,200円で8時間働き、1万円を得る

という行為に、
自分の時間・体力・感情を使うことが
想像以上に重く感じられる。

これは怠けでも贅沢でもない。
環境が人の価値観を変えてしまうだけだ。

FIRE後に「稼ぐ感覚」がズレることは、
もっと語られるべきリスクだと思う。


アルバイトであっても、希望する仕事に採用されるとは限らない

ここからは、
私が実際に体験した話だ。

アルバイトであっても、採用のハードルは決して低くない。

特に、

  • 40代以降
  • 未経験職種
  • 正社員キャリアを終えている

この条件が重なると、一気に難易度が上がる。

「未経験歓迎」と書いてあっても、
実際に採用されるのは、

  • 若い人
  • 長く働いてくれそうな人
  • 他に選択肢がなさそうな人

であることが多い。

「条件が良さそう」「楽しそう」と感じる仕事は、
他の人も同じように感じている。

結果、普通に競争になる。


ではどうするか|FIRE後の暴落に備える現実的な考え方

ここまで書いてきた結論はシンプルだ。

FIRE前後で、労働収入を完全にゼロにしないこと。

  • 今の仕事をすぐに辞めない
  • もしくは、負担の軽い仕事に移行する
  • フルタイムである必要はない

「緩くでも続けられる仕事」を
FIRE前に確保しておくこと。

これだけで、
暴落時の選択肢は大きく広がる。

もちろん、十分な資産があれば「働かない」という選択肢も成立する。
一方で、資産水準が低い状態でFIREをすると、暴落時の選択肢は一気に狭まる。
この点については、資産が少ない状態でFIREすることのリスクを整理した記事でも詳しく書いている。👉 「資産が少ない状態でFIREするリスク」


筆者がアルバイトを検討した理由と当時の状況

私自身、2025年後半に
半年間の業務委託契約を終えた。

次に何をするか考える中で、
これまで経験してこなかった業種で
アルバイトをしてみることも検討した。

最大の目的は 社会保険完備 だ。

アルバイト採用時は、
入社時の給与額をもとに
標準報酬月額が決定される。

出所:スタンバイplus 標準報酬月額とは何か?から抜粋

そのため、

  • 給料を低く抑える
  • 社会保険料を大きく下げる

という戦略が成り立つ。

任意継続などで
高い社会保険料を払っている場合、
一度アルバイトを挟むことで
保険料を下げられる可能性がある。

給料以上にメリットがあると考えた。


筆者の経歴を簡単に振り返る

  • 高卒
  • フリーター
  • 飛び込み営業系の会社
  • その後、外資系企業で約20年
  • 営業職、部門立ち上げなどを経験

「アルバイトに全く向いていない経歴」
というわけではないと思っていた。


実際にアルバイトへ応募して分かったこと

応募したのは以下の5社。

希望条件

  1. 社会保険完備
  2. 興味が持てる仕事内容
  3. シフトの融通性

時給はほとんど見ていない。
地方ということもあり、かなり低水準だった。

応募先

  • ビジネスホテルの食堂
  • スポーツジム(2社)
  • 不動産会社の事務
  • ファミレスのキッチン

結果

  • 採用:1社
  • 面接:2社
  • 書類選考のみ:2社

なお、採用となった企業は
最終的に辞退している。


唯一採用された仕事と、魅力を感じた理由

採用されたのは、
ビジネスホテルの朝食担当。

  • 朝5時勤務開始
  • 体力的には過酷

ただ、40代になり朝型になっていたこと、
料理が好きだったこと、
賄いが付くこと。

条件的には、
最も現実的だと感じた。


面接まで進んだが、働くイメージが持てなかった仕事

スポーツジム

利用者として通っていた経験もあり応募。
未経験ながら興味はあったが不採用。

ファミレスのキッチン

求人には社保完備と書いてあったが、
実際はシフトリーダーのみ対象。

そこまでの熱量は持てず、
こちらから辞退した。


書類選考で不採用になったケースから感じたこと

  • スポーツジム1社
  • 不動産会社の事務1社

書類だけで判断されると、
どうにもならない。

同一業界なら面接まで進めたであろう内容でも、
未経験×アルバイト希望となると
一気に厳しくなる。


FIRE後の暴落に備えるために、今伝えたいこと

FIREは、単に会社を辞めるという選択ではない。
その後の人生におけるリスクを、どこまで引き受けるかという「決断」でもある。
FIREを選ぶこと自体のリスクについては、別の記事で改めて整理している。
👉 「FIREという決断が持つリスク」

これは私一人の体験に過ぎない。
誰もが同じ結果になるとは思っていない。

ただ一つ確実なのは、

年齢は毎年上がり、
希望職種の採用ハードルは下がらない。

だからこそ、

  • 暴落しても生活に影響が出ない資産
  • 緩くでも続けられる仕事

このどちらか、
できれば両方を持つこと。

それが、
精神的にも安定したFIRE生活につながると、
私は実感している。

「暴落したら働けばいい」

その言葉が成立するかどうかは、
暴落が来る前の準備次第だ。