新NISA×S&P500一括投資で+38%|FIRE後の実践型運用戦略

投資戦略

FIRE1年目の筆者が、2024年に新NISA口座で+38.32%のリターンを実現。実際の投資戦略や2025年に向けた運用方針を、楽天証券の実績データとともに詳しく解説します。これから投資を始めたい方、FIRE後の資産運用に悩んでいる方に向けて、実体験ベースで再現性のある戦略をお届けします。

このレポートは、単なる成功体験の紹介ではありません。FIREという特殊な状況下で、どのような判断軸で資産運用を行い、どのような結果につながったのか──すべてを読者の皆様と共有することで、「次の一手」を考えるヒントになれば幸いです。

2024年の成果|一括投資で資産38%アップ

▲楽天証券 新NISA口座の実績(2024年12月17日時点)
評価額:4,989,999円(+1,382,652円、+38.32%)

2024年1月、私は360万円をeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に一括投資しました。当時は「高値掴みになるのでは?」という不安もありましたが、長期目線と新NISAの非課税メリットを信じて実行。結果として、約1年で130万円以上の含み益を得ることができました。

この成果はあくまで一例にすぎません。しかし、適切な知識とタイミング、そして「リスクを取る覚悟」があれば、FIRE後でも資産を増やすことは可能だと実感しました。

なぜ一括投資を選んだのか?

FIRE後は「時間」と「現金」が最大の武器になります。私は当時、生活費とは別に投資に回せる現金を確保できていたため、分散よりも“スピード重視”での資産成長を優先しました。リスクも承知のうえで、年初の上昇トレンドを見越して一括投資を選んだのです。

もちろん、誰にでも一括投資が正解とは限りません。しかし「市場に長くい続けること」がリターンの最大要因になるという点では、早期の投資実行は一つの有効な手段です。

S&P500と日経平均の比較|なぜS&P500を選ぶのか

NISAで貯めた資金はいつ使う?戦略の前提が変わる重要な視点

投資戦略を考える上で極めて重要なのが、「NISAで運用した資金をいつ使うのか?」という視点です。仮に10年後、20年後に使う予定であればリスクを取りやすくなりますし、逆に5年以内に使う可能性がある場合は、値動きの激しい商品を避けるなど、投資対象の選定に明確な違いが出てきます。

特にFIRE後の資産戦略においては、「NISAで積み上げた資金=取り崩し対象になる資産」でもあるため、使用時期の想定は極めて重要です。出口戦略(いつ・どのように現金化するか)によって、商品の選定や資産配分は大きく変わってきます。

新NISAの制度特性を活かした柔軟な使い方

新NISAでは、売却しても枠が翌年に復活するという「再利用可能な非課税枠」が設けられており、従来のロールオーバー制と異なります。これにより、より戦略的に資金を出し入れすることが可能です。

例として、成長投資枠(1,200万円)と積立投資枠(600万円)を完全に埋めるのが難しい場合、まずは積立枠をしっかり使い切り、成長投資枠ではコア資産であるインデックス投信に加え、将来の値上がりを期待して個別株を“スパイス”として組み入れる──といった戦略も現実的です。

このように、制度上の柔軟性を正しく理解し、自分の「資金の使い道と時期」に応じた最適な設計を行うことが、NISAを最大限活用するカギになります。

出典:マネックス証券

▲eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):+235.06%、eMAXIS Slim 日経平均:+91.99%(2018年~2024年)

このチャートが示すように、米国市場と日本市場ではリターンに大きな差があります。もちろん為替要因も含みますが、それ以上に違うのは「成長力」と「テクノロジー企業の比率」です。

S&P500にはApple、Microsoft、NVIDIAなど、世界を牽引するハイテク企業が数多く含まれています。新しい価値を生み出す企業が多くを占める米国市場は、長期投資の対象として非常に魅力的です。

パフォーマンス比較表(2018年〜2024年)

銘柄リターン(6年間)備考
S&P500+235.06%米国代表500社に分散
日経平均+91.99%日本国内の主要225社

この違いは今後も続くとは限りませんが、少なくとも直近数年の「成績表」としては十分に参考になります。

FAQ|よくある質問

Q. 新NISAはいつから始めるのがベストですか?
A. 非課税期間が長いため、なるべく早く始めることが重要です。年初の一括投資が有効なケースもあります。

Q. 一括投資は初心者には危険ですか?
A. まとまった資金がある場合は検討の価値あり。ただし、下落時の耐性やリスク許容度は必要です。

Q. S&P500以外のおすすめは?
A. 全世界株式(オールカントリー)、VTI(米国全体)がバランス良くおすすめです。

よくある疑問を明文化することで、自分の投資判断に自信を持つきっかけになるでしょう。特に初心者は「正解を探そう」としますが、最終的には“納得感”がもっとも大切です。

次回は「2025年のポートフォリオ戦略」や「リスク管理の考え方」など、より実践的なテーマを掘り下げてお届けします。