ここ最近、私が投資を始めた15年前と比べると、毎月分配型投信の選択肢は驚くほど洗練されてきたと感じています。
かつては
「分配型=長期に向かない」
「元本を削るだけ」
と一括りにされがちでした。
しかし今では、
- 運用設計
- 銘柄選定
- 分配方針
まで含めて、明確な思想を持った毎月分配型ファンドが増えてきました。
私の分配型投信のコアはインベスコ世界厳選株式オープン
現在、私の分配型投信のコアとして運用しているのは、
インベスコ世界厳選株式オープン(通称:世界のベスト)です。
- 毎月安定したキャッシュフロー
- 値動きは比較的穏やか
- 「使いながら増やす」運用と相性が良い
分配金を生活に回しつつ、
ポートフォリオの土台として非常に扱いやすいファンドだと感じています。
インベスコについては、「いつ買うべきか」「タイミングを気にする必要があるのか」
といった点もよく聞かれますが、私の考えは以下の記事にまとめています。
▶︎ インベスコ世界厳選株式オープンはいつ買うべきか?
WCM世界成長株厳選ファンドを組み入れた理由
一方で、
ここ最近もう一段ポートフォリオに厚みを持たせる存在として意識しているのが、
WCM世界成長株厳選ファンド(愛称:ネクストジェネレーション)
です。
インベスコが
「世界の優良企業を広く・分散して持つファンド」
だとすれば、
WCMは
「世界の成長企業を少数精鋭で持つファンド」
と言っていいと思います。
なお、インベスコをコアにしつつ、FANG+毎月分配型を成長サイドとして組み合わせる考え方については、こちらの記事で詳しく整理しています。
▶︎ FANG+毎月分配型とインベスコを組み合わせた分配型ポートフォリオの考え方
WCM世界成長株厳選ファンドのリスクと値動きの特徴
正直に言えば、
- 値動きはインベスコより大きい
- 分配金も安定一辺倒ではない
それでもなお、
WCMをポートフォリオに組み入れる価値はあると考えています。
この記事では、
- WCM世界成長株厳選ファンドとは何か
- インベスコとの性格の違い
- 毎月分配型としての注意点
- 向いている人/向かない人
を、私自身の運用スタンスを交えながら整理していきます。
WCM世界成長株厳選ファンドとは?【基本情報と運用会社】
WCM 世界成長株厳選ファンドは、世界の成長企業に厳選して投資するアクティブ型株式投資信託です。運用を担うのは、米国の運用会社 WCM Investment Management。
同社は、成長株運用を専門とし、長期視点での企業分析に強みを持つ運用会社として知られています。
10年後も成長するかを重視する運用思想
WCMの特徴は、単に「今、成長している企業」を集める点にはありません。
重視しているのは、
- 長期に競争優位を維持できるか
- 企業文化や経営姿勢に一貫性があるか
- ビジネスモデルが持続的に機能するか
といった定性的な要素です。
WCM世界成長株厳選ファンドの特徴【設計と運用思想】
成長株に絞ったアクティブ運用
WCMは、インデックスのようにルールで銘柄を組み入れるファンドではありません。
ファンドマネージャーの判断によって銘柄を選び、入れ替える運用を行っています。

銘柄数は約35銘柄の集中投資
- 銘柄数は比較的少なめ
- 1銘柄あたりの影響度が大きい
その分、
選定した企業が成長すれば、リターンにも反映されやすい設計です。
為替ヘッジなしの設計
WCMは為替ヘッジを行いません。
- 円安はプラスに働く可能性
- 円高はマイナス要因になる可能性
を含めて、
長期リターンとして受け入れる前提のファンドです。
予想分配金提示型という注意点
毎月分配型と一口に言っても、分配の仕組みや設計思想はファンドごとに大きく異なります。
分配構造そのものの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎ 毎月分配型投信の分配構造|グロソブとインベスコの違い
インベスコが「基準価額に関係なく、安定分配を重視する」のに対し、WCMは予想分配金提示型を採用しています。一定の基準価額を下回ると、分配金が出ない仕組みです。

実際に、分配金がしばらく出なかった時期もありました。

WCM世界成長株厳選ファンドのリスクと値動きの特徴
集中投資型であるため、WCMはインデックスファンドや分散型ファンドと比べて
値動きが大きくなりやすい傾向があります。
安定性を求めるファンドではありません。
WCM世界成長株厳選ファンドはどんな人に向いているか
WCM 世界成長株厳選ファンドは、次のような人に向いています。
- インデックスとは異なる値動きを取り入れたい
- 長期で成長を狙えるファンドを保有したい
- 価格変動をある程度受け入れられる
一方で、安定重視・値動きの小ささを求める人には向きにくいファンドです。
コアとなる商品に組み合わせ持つことが前提になると考えています。
なお、インデックス投資や低コスト・分散を軸にした長期戦略については、
以下の記事で整理しています。
WCMは、こうした戦略を否定するものではなく、あくまで役割の異なる選択肢だと考えています。
インベスコとWCMの違いを比較【国別構成・組入銘柄】
本記事では、各ファンドの交付目論見書を実際に確認したうえで、
- 国別構成
- 組入上位銘柄
- 設計思想
の違いに着目して整理しています。
国別構成の比較
| WCM | 比率 | インベスコ | 比率 |
|---|---|---|---|
| アメリカ | 35.2% | アメリカ | 46.1% |
| イギリス | 9.6% | イギリス | 18.6% |
| 台湾 | 9.6% | オランダ | 9.2% |
| フランス | 3.9% | カナダ | 5.2% |
| スイス | 3.2% | 香港 | 3.6% |
インベスコ:米国・英国比率が高く、安定重視
WCM:米国依存を抑え、成長余地を意識した構成
組入上位10銘柄の比較
WCM|組入上位10銘柄
| WCM 銘柄名 | 国 | セクター | 比率 |
|---|---|---|---|
| APPLOVIN CORP | 米国 | ソフトウェア・サービス | 9.7% |
| SEA LTD ADR | シンガポール | 一般消費財・サービス | 8.0% |
| SIEMENS ENERGY AG | ドイツ | 資本財 | 5.8% |
| CELESTICA INC | カナダ | テクノロジー・ハードウェアおよび機器 | 5.2% |
| SAAB AB-B | スウェーデン | 資本財 | 4.6% |
| ROLLS-ROYCE HOLDINGS PLC | イギリス | 資本財 | 4.5% |
| CARPENTER TECHNOLOGY | アメリカ | 素材 | 3.7% |
| 3I GROUP PLC | イギリス | 金融サービス | 3.5% |
| TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFACTURING CO | 台湾 | 半導体・半導体製造装置 | 3.1% |
| TENET HEALTHCARE CORP | アメリカ | ヘルスケア機器・サービス | 2.9% |
インベスコ|組入上位10銘柄
| インベスコ 銘柄名 | 国 | セクター | 比率 |
|---|---|---|---|
| Rolls-Royce Holdings | 英国 | 資本財 | 6.0% |
| Microsoft | 米国 | 情報技術 | 5.6% |
| 3i Group | 英国 | 金融 | 5.5% |
| Canadian Pacific Kansas City | カナダ | 資本財 | 5.2% |
| Texas Instruments | 米国 | 情報技術 | 3.9% |
| Coca-Cola Europacific Partners | オランダ | 生活必需品 | 3.8% |
| Broadcom | 米国 | 情報技術 | 3.7% |
| AIA Group | 香港 | 金融 | 3.6% |
| Standard Chartered | 英国 | 金融 | 3.2% |
| Westpac Banking | 豪州 | 金融 | 3.1% |
インベスコとWCMの役割の違い【コアとサテライト】
- インベスコ
- 分散重視
- 値動きは比較的穏やか
- 分配金の安定感
- WCM
- 集中投資
- 成長重視
- 値動きは大きめ
インベスコ=安定したコア
WCM=成長を狙うサテライト
筆者の運用方針|インベスコ×WCMの使い分け
私は、両ファンドを以下のように位置付けております。
- インベスコを毎月分配型のコア
- WCMとFANG+を上振れ担当
レンジ相場や下落局面では、インベスコの分配金で耐える。
上昇局面では、WCMやFANG+の分配金と値上がりで生活に潤いを加える。
このバランスを作りたくて、WCMを組み入れました。
まとめ|WCM世界成長株厳選ファンドの位置づけ
WCM 世界成長株厳選ファンドは、
- 銘柄数を絞った集中投資
- 長期成長を重視した企業選別
- インデックスとは異なる値動き
を特徴とするアクティブファンドです。
インベスコの安定感を土台に、
WCMで成長の上振れを狙う。
「使いながら増やす」分配型ポートフォリオにおいて、
この組み合わせは十分に検討する価値があると感じています。

