投資をやめる人・続ける人の違いとは?プロスペクト理論で読み解く成功者の思考と習慣

投資戦略

投資をやめたくなる人の共通点

「NISAを始めたけど思ったほど資産が増えない」
「株価が下がると怖くなって売ってしまった」
「一時的な損で気持ちが折れた」

こういった理由で投資をやめてしまう人は少なくありません。事実、野村アセットマネジメントの2024年調査によれば、投資を辞めた理由のトップ3は以下の通りです:

  • 思ったより儲からない(期待とのギャップ)
  • 損失が怖い(リスク許容度の不足)
  • 資金が続かない(計画性の不足)

出典:野村アセットマネジメント https://www.nomura-am.co.jp/corporate/surveys/pdf/20240418_52B4DE55.pdf

さらに、世代別で見ると20〜40代の投資家は増加傾向にある一方、50代以上では減少している傾向が見られます。つまり、若い世代は感情に左右されず、継続しやすい構造を持っている可能性が高いということです。

投資を続ける人だけが資産を築ける理由

筆者もかつては投資初心者でした。最初はFXに手を出して失敗。しかしそこから米国株インデックス投資にシフトし、毎月自動で積立するスタイルに変更しました。

その結果、5年以上にわたり資産は右肩上がりに増えています。とくに、S&P500やNASDAQにコツコツ積立をする「ドルコスト平均法」が効果的でした。

ここで注目したいのは「複利の力」。たとえば:

  • 月3万円を年利6%で20年間積み立てると…
  • 約1,400万円(元本720万円の約2倍)

このように、短期で儲けるのではなく、時間を味方につけて淡々と積み上げることが、資産形成の近道なのです。

プロスペクト理論とは?“損”の痛みが行動を狂わせる

人は「得」よりも「損」のほうが強く記憶に残る。
これを説明するのが、ノーベル経済学賞を受賞したプロスペクト理論です。

出典:ツギノジダイ https://smbiz.asahi.com/article/14834884

心理効果内容影響例
損失回避バイアス同じ金額でも損の方が痛く感じる少しの下落でもすぐ売ってしまう
参照点依存性他人と比べて判断するSNSで儲かってる人を見て焦る
感応度逓減性得れば得るほど感動が薄れる投資に満足できず次に手を出す

これらは全て人間の本能的な反応です。だからこそ、「意志が弱い」わけではなく、仕組みで防ぐしかないのです。

投資を辞めたくなる瞬間とその対処法

  • 暴落相場(例:コロナショック・米金利上昇局面)
  • 友人が儲かっているのをSNSで見たとき
  • 利益確定した直後にさらに値上がりしたとき

こうした時に「判断しない・感情に従わない」ために、以下を徹底しましょう:

  • 自動積立設定を活用する
  • 購入後は株価を見ない
  • 毎月の積立額だけを見て“習慣化”する

投資を続ける人が実践する「3つの黄金ルール」

① リスク許容度の範囲で投資する

  • 生活費の3〜6ヶ月分は現金で確保
  • 「最悪ゼロでも生活に影響なし」の金額で運用

② 短期で一喜一憂せず、10年スパンで見る

市場は常に上下するが、長期では右肩上がりが基本。
「今」は買い場になることも多い。

③ 淡々と積み上げる投資を仕組み化する

  • 毎月定額でインデックス投信を自動購入
  • 配当や評価損益は気にしない
  • 再投資で口数を積み上げる戦略がベスト

投資をやめた人が“再挑戦”するための3ステップ

ステップ①|「やめた理由」を客観視する

  • 感情に振り回された?
  • 資金が足りなかった?
  • 情報収集が不十分だった?

ステップ②|少額・自動・長期を前提に再開

  • 月1万円など、少額から再開
  • 積立NISAやiDeCoの制度を活用
  • 自動積立で“ほったらかし”にする

ステップ③|情報とメンタルを定期チェック

  • 3ヶ月に1回程度、運用状況を見直す
  • SNSで他人と比べない
  • 自分の「目的軸」で継続判断する

投資で成功する人と失敗する人の決定的な違い

続ける人やめる人
感情より仕組みを信じる不安で売買を繰り返す
少額でも継続重視初期の損失で脱落
自分軸で判断他人の影響で右往左往

最後に|「続ける力」はお金よりも強い武器になる

投資は、お金を増やすための手段です。
でもそれ以上に、「感情をコントロールし続ける力」を養うツールでもあります。

  • 未来に希望を持つ
  • 家族の生活を守る
  • 自分の働き方や人生の選択肢を広げる

これらを叶えるには、「続けること」しかありません。

辞めるのはいつでもできる。でも、続ける人だけが未来を変えられる。